インターセプトとは

インターセプトとは、相手のパスを読んでそのコース上に入り、自らボールを奪う守備のアクションである。

サッカーで相手からボールを取り戻す手段は、相手の足元にあるボールを接触で奪うタックル、こぼれ球を拾うこぼれ球奪取、相手のパスを先読みして奪うインターセプトの3つに整理できる。インターセプトは、このうち相手のパスを「読む」ことが要件になるアクションである。

仕組みと読み方

何をインターセプトとしてカウントするか

インターセプト指標で最初に押さえる必要があるのは、何を「インターセプト」として記録するかの基準である。基準はデータプロバイダーごとに異なる。

多くのプロバイダーでは、相手のパスを読んでコース上に入り、ボールを奪うプレーをインターセプトと位置づけている。Wyscoutのように、シュートやクロスへの対応まで含める設計を採るプロバイダーもある。J STATSの公式定義は「相手のパスに対して能動的に動いてそのパスをカットし、自ら保持もしくは味方につなげたプレー」と、能動的な動きと結果を要件としている。

主要プロバイダーの定義を整理すると、次のとおりである。

プロバイダーインターセプトの定義成功・集計範囲
Opta相手のパスを読み、意図されたパスのコース上に入って奪うプレーパスへの対応のみが対象。読みの度合いが少ないパス遮断は「Blocked Pass」として別カウント
StatsBombパスのレーンに移動するか反応して遮断し、相手のパスが味方に届くのを防ぐプレーパスへの対応のみが対象。シュートやクロスへの対応は別イベント「Block」で集計
Wyscout相手のシュート、パス、クロスに対して、ボールの動きを予測して能動的に遮断するプレーパスに加え、シュートやクロスへの対応も含める
J STATS相手のパスに対して能動的に動いてそのパスをカットし、自ら保持もしくは味方につなげたプレーパスへの対応のみが対象。シュートやクロスへの対応はブロックやクリアなどの別系統で集計

※各プロバイダーの公式定義の出典は参考セクションを参照

設計の違いは、大きく2点ある。1つは集計の対象範囲で、Wyscoutだけがシュートやクロスへの対応もインターセプトに含める広めの設計を採る。もう1つは成功条件で、J STATSだけが「自ら保持もしくは味方につなげた」結果まで要件に含めている。プロバイダーをまたいだ比較では、これらの差を踏まえる必要がある。

読みとポジショニングの指標として

インターセプトは、相手のパスを「読み」、コース上に身体を運んだプレーを捉える指標である。読みや予測の能力そのものを直接測るわけではないが、それらが結果として表れやすい数少ないイベント指標といえる。

サッカー選手の認知スキルを扱う研究では、相手の身体の向きや動き出しのわずかな手がかりから次のプレーを先読みする能力が、優れた守備者の重要なスキルとして扱われている。インターセプトはこの先読みが結実したプレーを捉える。

一方で、インターセプトを含む守備イベント指標が捉えられる範囲には限界もある。相手にパスを諦めさせる、相手にバックパスを強いる、コースに入ることで攻撃の選択肢を減らす、といった働きは数字に残らない。

タックルとの違い

タックルとインターセプトはどちらも相手からボールを奪う守備アクションだが、奪い方の構造が異なる。

タックルは相手の足元にあるボールを、足や身体の接触で奪う。プレーの起点には接触があり、奪う対象は相手がコントロール中のボールである。一方でインターセプトは、相手のパスを読んで、そのコース上に入って奪う。接触は前提にならず、奪う対象は移動中のボールである。

ただし、タックルとインターセプトを選手のスタイルを表す指標として並べて比較する読み方には限界がある。インターセプトは1試合あたりの発生頻度がタックルに比べて低く、選手間の差を安定して捉えるには累積データが集まりにくい。

関連する指標

インターセプトを起点に、対比・派生・補完の関係にある指標がいくつか存在する。

  • タックル — 接触で相手のボールを奪う守備アクション。インターセプトとは奪い方の構造が異なる対比指標
  • デュエル — 1対1の競り合い全般を束ねる枠組み。インターセプトは競り合いを伴わない点でデュエルと別の切り口を持つ
  • こぼれ球奪取 — 味方や相手のクリア、ブロック、ポスト・バーのはね返りなどのボールに触れたプレー。インターセプトとの境界判定が曖昧になりやすい隣接指標
  • PPDA — プレッシング強度を測るチーム単位の指標。守備アクション数(インターセプトを含む)を分母に持つ
  • ポゼッション調整(PAdj) — 守備機会の差を補正する手法。インターセプトの代表的な補正対象

参考