npxG(PKを除くxG)とは
npxG(PKを除くxG:Non-Penalty Expected Goals)は、PKによるシュートを除いて集計したゴール期待値である。
xGは、シュート1本ごとに得点確率を付与し、それを合計することで「どれだけ得点に近いチャンスを作ったか」を測る指標である。この中には、通常の流れから生まれたシュートだけでなく、FKやPKなど、さまざまな状況のシュートも含まれる。
その中でもPKは特殊である。ペナルティースポットからゴールまでの距離は11mと近く、GKと一対一の状況のため、1本あたりのxGが非常に高くなる。プロバイダーによって値は異なるが、PKには0.76〜0.82程度のxGが与えられる。流れの中のシュートでこの水準に届くのは限られた場面のみである。
npxGは、このPKによる大きな上乗せを取り除き、PK以外のシュート機会からどれだけ得点に近づいたかを見るために使われる。xGの集計範囲を変えた派生指標と考えると理解しやすい。
仕組みと読み方
全シュートのxG合計から、PKによるxGを除いたものがnpxGになる。
- npxG = xG − PKによるxG
たとえば、ある選手の1試合のxGが1.45で、そのうちPKが1本含まれていたとする。PKのxGを0.81と扱う場合、その試合のnpxGは 1.45 − 0.81 = 0.64 となる。
npxG/90で選手の得点機会を見る
選手比較では、累積npxGだけでなく、それを90分あたりに換算したnpxG/90もよく使われる。
PKキッカーは、通常のxGで上位に出やすい。シーズン中に数本蹴るだけでも、累積値が大きく押し上げられるためである。一方、npxG/90を使えば、PKを蹴る役割の有無を切り離し、PK以外のシュート機会にどれだけ関わったかを比較しやすくなる。
攻撃的な選手を見るとき、npxG/90は「どれだけ得点に近い場所・状況でシュートを打てているか」を読む材料になる。なお、選手単位では高xGのシュートが数本含まれただけで累積npxGが目に見えて押し上げられるため、出場時間が極端に短い選手のnpxG/90は過大に出やすい。
npG−npxGでPK抜きの上振れを見る
npxGは、実得点との差分を見るときにも使われる。通常のG-xGが「実得点 − xG」であるのに対し、PKを除いた得点とnpxGを比較する場合は、npG−npxGという形になる。
ただし、npG−npxGも「決定力」をそのまま表すわけではない。実得点と期待値の差には、シュート技術、相手GKの対応、ポストやこぼれ球の偶然、サンプルサイズの小ささなどが混ざる。
フィニッシュの精度をシュート単位で評価したい場合は、xGOTやその差分であるSGA(xGOT − xG)と組み合わせて読む必要がある。
参考
- James Tippett xGenius: Expected Goals and the Science of Winning Football Matches (2024)
- “What are Expected Goals (xG)?” (Hudl StatsBomb, 2025) https://www.hudl.com/blog/expected-goals-xg-explained
