シュートとは

シュートとは、得点を意図してボールを相手ゴールへ蹴り込む、あるいはヘディングするなどのプレーである。試合を見ていれば数えられる基本的なイベントで、プロの試合からアマチュアの大会まで公式記録として残されてきた。

サッカーは、1試合の得点が両チーム合わせて2〜3点程度と少ない。シュート1本が実際に得点に結びつく確率は、平均しておよそ10%とされる。

この少なさゆえに、シュートは「いかに多く打つか」だけでなく、「どの状況で打つか」も分析の対象になる。2010年代以降、xGモデルの普及により、シュート本数とともにxGなどでシュートチャンスの質を測る視点が広がった。

定義と読み方

シュート決定率

シュート決定率は、放ったシュートのうちどれだけがゴールに結びついたかを測る比率である。

  • シュート決定率 = 得点 ÷ 総シュート × 100

この指標は、シュートの質のばらつきや偶然の要素に強く影響される。短期間の集計では、選手・チームの実力差以上に、こうした要素による変動が大きい。長いスパンで集計すれば偶然の影響は小さくなるが、チーム戦術などの影響は残る。

プロバイダー定義の比較

シュートは、結果によって「枠内シュート」「枠外シュート」「ブロックされたシュート」の3つに区分される。

主要なデータプロバイダーの定義はいずれも「意図的に得点を狙うプレー」を要件としており、PKや直接FKをシュートに含む点も、Opta・StatsBomb・Wyscoutでは共通する。一方、ブロックされたシュートやゴール枠に当たったシュートの扱いには、運用上の差がある。

プロバイダーシュートの定義含む/除く・運用上の特徴
Opta意図的な得点の試み。枠内・枠外・ブロックの3分類で集計最終ラインのDFが防いだシュートは枠内シュート扱い(ブロックではない)
StatsBomb体の合法的な部位を用いた得点の試み。結果を細分化して記録(ゴール/セーブ/ブロック/枠外/ポスト、など)試みた瞬間のあらゆるシュートを記録(成否を問わない)。PKはtype=Penaltyとして区別
Wyscout相手ゴールに向けて得点を意図して放たれた試み。ブロックされたシュート・PK・直接FKを含む「成功」は枠内に到達したもの。ゴール枠に当たって入らなかったシュートは「成功」とみなされない
J STATS攻撃側選手による直接得点することを目的とした意図的なプレー。ボールがゴールから大きく外れた場合や、プレーしたボールが一定の距離以下にいる守備側チームの選手に防がれた場合も含む「枠内シュート総数」を別カテゴリで集計(フィールドプレーヤーにブロックされることなくゴールマウスの枠内へ向かって放たれたシュート総数)

※各プロバイダーの公式定義の出典は参考セクションを参照

量と質を併せて捉える

シュート本数は攻撃の量を測るが、1本あたりの得点確率は位置や角度で大きく異なる。

ゴール正面の至近距離からのシュートと、ペナルティエリア外からのロングシュートは、本数では同じ1本でも、得点に近づく度合いはまったく違う。xGを組み合わせれば、シュートごとの得点確率の違いを数値化できる

Jリーグ公式記録の独自カウント基準

Jリーグの試合のシュート数は、2系統で並行して公開されている。一つはJ. League Data Site(data.j-league.or.jp)に掲載されるJリーグ公式記録、もう一つは試合速報やスタッツページに掲載されるJ STATSである。同じ試合を対象にしても、J STATSのほうが公式記録より25%程度シュート数が多く記録される傾向にある。

この差の背景には、Jリーグ公式記録の独自のカウント基準がある。「Jリーグ記録基準」によると、シュートとして記録するためには以下の3つの条件が必要である。

  1. 攻撃側チームの選手が、直接得点することを目的にボールに意図的にプレーした
  2. ボールがゴールから大きく外れていない
  3. プレーしたボールが、近くにいる守備側選手に防がれていない

このため、Jリーグ公式記録は、シュートを「実質的に得点機会と呼べるか」で絞り込んだ水準の数値になる。他のプロバイダーは、結果にかかわらず「意図的に得点を狙うプレー」を広く拾うため、両者には構造的な水準差が生まれる。

注意点

シュートの意図の判定に幅がある

すべてのプロバイダーが「意図的に得点を狙うプレー」を要件としているが、シュートとして扱うかどうかは判定に幅がある。たとえば以下のようなケースがある。

  • サイドから放たれたボールがゴール方向へ飛んだ場合、クロスの意図なのかシュートの意図なのかで判定が分かれる
  • 味方の放ったシュートを別のチームメイトが触れてコースが変わった場合、意図的な触りだったか瞬間反応だったかで判定が分かれる
  • シュートのつもりで蹴ったボールが、ミートせずにチームメイトに渡った場合、パスとして扱われることがある

こうした判定の違いが、同じ試合のシュート数がデータソースによってわずかにずれる要因の一つになる。

なお、結果的に得点になったプレーは、意図を問わずシュートとして記録されるのが一般的である。

参考