セーブ率とは

セーブ率(Save Percentage)は、相手に打たれた枠内シュートのうち、GKが触って防いだ割合である。

これは試合中に記録されたセーブや失点などから算出する比率指標で、GKのシュートストップ能力を表す基本的なスタッツの一つとして広く使われている。

一般的にシュートのうち枠内に飛ぶのは3分の1ほどで、リーグトップクラスのGKのセーブ率はおおむね70%台後半になることが多い。

定義と読み方

計算と水準

  • セーブ率 = セーブ数 ÷ 被枠内シュート数 × 100

上式が一般的な計算方法だが、実際にはデータプロバイダーによっていくつかの算出方法がある。

リーグ全体を合算したセーブ率はおおむね65〜70%に収まる。個々のGKで見ると、シーズンを通して出場した選手でも5割台から7割台後半まで散らばる。

比率であるため、被枠内シュートの少ないGKの値は大きく振れる。一定の出場時間や被枠内シュート数で足切りをかけて比較するのが一般的である。

何をセーブと数えるか

主要なプロバイダーの公式定義は大枠では共通しているが、どこまでをセーブとするかは細部で異なる。

プロバイダーセーブに関する定義の要旨集計上の特徴
Opta相手選手による意図的な得点の試みを、GKが身体で防いだプレーGKが触れた後に味方が防いだ場合、セーブは記録されない
Wyscoutシュートが得点になるのをGKが防いだプレーGKが触れず味方が防いだ場合でも、セーブとして記録される
J STATS相手の枠内シュートをゴールキーパーが防いだプレーセーブ率の分母に被枠内シュート数を使わない

※各プロバイダーの公式定義の出典は参考セクションを参照

Optaでは、GKが触れた後にゴールライン上で味方が防いだ場合、その味方のブロックとして記録され、GKにセーブは付かない。また、GKがシュートを弾いてゴールラインを割った場合、それがセーブとして認められるには、主審がCKと判定しなければならない。

算出方法にも違いがある

セーブ数を被枠内シュート数で割るのが一般的だが、J STATSはセーブ率をセーブ数÷(セーブ数+失点)と定義している。被枠内シュート総数は別の項目として集計されているが、セーブ率には使われていない。

セーブ数と失点の合計は、被枠内シュートの数と必ずしも一致しない。たとえばオウンゴールによる失点だと、被枠内シュートとしてカウントされない。つまり、どちらの計算式で出したかによってセーブ率はやや変わる。

どこから打たれたかで水準が変わる

セーブ率は、すべての枠内シュートを同じ1本として数える。至近距離からのシュートも、ペナルティエリア外からのシュートも、セーブ率の上では等価に扱われる。

実際には、打たれた位置やシュートの質によってセーブの難易度は違う。PA内からのシュートではセーブ率が6割前後にとどまるのに対し、PA外からのシュートでは8割を超える。

限界と注意点

チームの守備がセーブ率に影響する

セーブ率はGK個人の数字に見えるが、どのようなシュートを受けるかはチームの守備力などによっても変わる。味方と連携して相手のコースを限定できていれば、GKが受ける枠内シュートは止めやすいものに寄る。中央で相手をフリーにすることが多ければ、同じGKの技術でも数字は下がる。

そこで使われるのが、枠内シュート1本ごとの得点確率を推定する枠内ゴール期待値(xGOT)である。受けたシュートのxGOTを合計すれば、平均的なGKなら何失点していたかがわかる。その値と実際の失点を比べれば、シュートの難易度を織り込んだうえでGKを評価できる。

1シーズンでは足りない

GKが受ける枠内シュートは、平均すると1試合あたり4本前後にとどまる。試合ごとの振れ幅は大きいが、シーズンを通しても140本前後である。

欧州5大リーグの4シーズン分、64,000本を超える枠内シュートを対象にした分析では、同じGKが受けた連続する100本と、その次の100本のセーブ率の相関は0.13程度にとどまったと報告されている。100本はおよそ25試合分にあたる。シュートの質を織り込んだ比率に置き換えると、相関は0.23程度まで上がる。

つまり1シーズン分のセーブ率だけでは、そのGKの実力は見えづらい。複数シーズンを重ねれば偶然の影響は小さくなるが、受けるシュートの条件の差までは埋まらない。

参考